カリキュラム

授業科目名

(専):専攻担当教員
(授):授業担当教員
(特):特任教員
(非):非常勤講師


環境都市計画特論

吉川 耕司 教授(専)

各種都市基盤整備の計画を行うために取得すべき情報や、そこから算定される意思決定のための情報について、必要とされる情報項目を具体的に検討するとともに、実際的な処理手法・過程について解説を行う。この際には、計画の流れを意識して、データ入手や観測といった「取得」、分析・加工といった「情報処理」、的確な意思決定のために適切な表現が必要な「出力」、これらを通してデータの蓄積と管理といった「ハンドリング」の各フェーズを連続的かつ網羅的にとりあげていく。これらを通して、持続可能な都市の発展を見据えた整備に実効的に寄与する計画情報のあり方について考究していきたい。


水質管理特論

濱崎 竜英 教授(専)

人間をとりまく環境に関わる広範な知識のうち、水質管理に関する知識を体系的 に理解するため、水質汚濁の理論的な機構、人や産業への影響、国や地方公共団 体による施策、水質汚濁を防止するために必要な処理技術について学ぶ。


地球環境特論

硲 隆太 教授(専)

現在の地球環境は、人間活動による人工システムを抜きにしては、考えられない。人類に繁栄をもたらした科学技術は、他方では生態系を脅かすような事故や地域的な環境問題を引き起こし、1980年代初頭には地球規模の地球環境問題として顕在化した。こうしたなか、科学技術による文明社会の在り方の転換、地球と人類との共存、共生への転換が求められている。本講では、人工システムによる地球環境システムの変遷及び環境対策の進展を概観すると共に、地球と人類との共存、共生が図られる地球環境システムについて考察する。


環境経営特論

花田 眞理子 教授(非)

大量生産・消費・廃棄の20世紀型経済システムにおいて、企業経営と環境配慮は対立軸にあった。しかし持続可能な経済社会の実現をめざす21世紀型システムでは、外部コストの内部化が進むとともに、企業は環境配慮を前提条件として捉えるようになった。さらに、リスク管理や社会的責任の観点を先取りして、環境負荷削減をビジネスチャンスとして戦略的に捉えるエコビジネス市場の創設拡大事例も増えてきた。本講義では、経営のグリーン化とグリーンな市場の動向を論じると同時に、環境経営先進企業を数社訪問し、担当者からヒアリングを行った結果の発表を行う。


生態学特論

島野 光司 教授(専)

地域あるいは地球レベルで人間をとりまく環境はきわめて厳しい状態が続いているが、それは基盤となるべき自然生態系の劣化・喪失を意味する。地球環境の維持には十分な量の自然生態系が必要とされるが、生物多様性の減少、外来種の侵入および野生動物生息地の分断化など生態系の攪乱は近年、増大しており、現代的課題の解決に向けて、生態研究が果たす役割は大きい。
 本特論は、地域の生態系を支える生物群集がどのような機能や構造をもつのか、さらに地域生態系のしくみおよび問題点について講義する。森林生態系、草地生態系、河川生態系、島嶼生態系などさまざまなフィールドを対象として、自然生態系における動物・植物相互作用、景観生態と人のかかわりなど、生物群集と環境との統合的理解をめざす。


大気環境特論

藤川 陽子(非)

現在の地球環境問題は、地球温暖化、酸性雨、成層圏オゾン層のように大気環境の変化が主な原因となるものが多い。また、都市においても、自動車排ガスに起因する窒素酸化物や浮遊粒子状物質、さらに人の健康に重大な影響を与える微粒子(PM2.5)、ダイオキシンやアスベストなど、その対策が急がれる問題が多い。
 本講義では、主な大気汚染物質について、発生機構を具体的に概説するとともに、大気汚染データの入手方法、データの評価方法、簡易な予測・解析の方法などの手法について解説する。また、社会.経済的事象と大気汚染の関係についての解析方法、評価方法についても実例をあげて講義する。
 先端的な事例について、分かりやすい実例や演習をまじえて実践的かつ実用的に講義するので、今後の研究や業務に直ぐに使用できる手法の習得が可能である。


環境社会学特論

川田 美紀 准教授(専)

環境社会学には、(1)環境をめぐる人間と人間の関係を扱う〈環境問題の社会学〉と、(2)環境と人間の関係(=つきあい)を扱う〈環境共存の社会学〉という2つの問題領域がある。本講義では、特に(1)の領域に注目し、環境問題への実践のために地元住民の生活分析を通じて環境保全の論理を形成してきた環境社会学の諸理論を概観しながら、ローカルなコミュニケーションを通じて発現する住民の主体性について検討する。


文化環境特論(アジア)

倉橋 幸彦 教授(専)

20世紀における中国研究は、「謎の国」チャイナとの抗いの歴史であったと言ってよい。
その研究の嚆失をなしたものに、欧米から中国に派遣された宣教師たちがいる。
中でも、《Chinese Characteristics》の著者A.H.Smithや《400Million Customers》の著者Carl Crowはその代表と言える。また、わが国にも、従来は「支那通」という侮蔑語でもって否定的にしか評価されていない、China watcherが数多くいた。
この特論では、これら中国研究の先駆者の業績を再検証(顕彰)することにより、中国の文化環境を等身大でとらえることが、果たして可能であるのか。もし可能であるとすれば、どのような方法が有効であるのかについて考えることにしたい。


文化環境特論(日本)

岡尾 将秀(非)

この授業の目標は、近現代の日本の社会をとりまく文化的な環境について、社会学や文化人類学、歴史学の知見にもとづいて、各自で考察、説明できるようになることである。そのために第一に、日本の社会が地域や階層によって区分され、それぞれのサブカルチャー(下位文化)を発達させていることを学習する。第二に、近代以降の国民文化やポピュラーカルチャー(民衆文化)が形成される際に、近世までの皇族中心の民族文化や諸地域の民俗文化がどのように取り込まれているかを考察する。第三に、現代の私たちが、近代以降の国民文化やポピュラーカルチャーからどのような影響を受けながら、価値観やマナー、習慣などを形成しているかを議論する。


歴史環境特論

藤永 壮 教授(専)

本講義では、東アジア近現代の歴史文化環境を取り上げる。19世紀中葉に幕を開けた東アジアの近代は、一口に言えば自立した国民国家の建設を追求した時代であったが、日本を除いてその目標は達成できなかった。だがその日本は「帝国」としての膨張を志向し、それがついには国家そのものを破滅させることになる。第2次世界大戦後=現代の東アジア諸国は基本的に自立した国家体制を確立したものの、冷戦構造はこの地域に分断と対立をもたらし、今日なおその枠組みは克服されていない。しかし一方で、こうした枠組みの前提にある近代国民国家体制も、いまや動揺しつつある。このような歴史的経緯と現状を、ミクロ・マクロ双方のさまざまな分析ツールに留意しつつ、批判精神をもって読み解くこと、これが本講義の目指すところである。


スポーツ科学特論

仲田 秀臣 教授(専)

スポーツや運動は競技パフォーマンスや健康とどのように関わっているのか、スポーツや運動の際に生じる呼吸循環器や運動器の変化、または継続的な運動に対する人体の適応について考察する。


スポーツ心理学特論

三村 覚 准教授(専)

ここでは、スポーツ心理学を応用心理学の一分野として捉え、ヒトの“こころ”と“行動”の法則性を、スポーツ場面への応用という形で論じる。主として競技力向上を最終目標としたテーマを扱う


スポーツ・システム生理学特論

宮本 忠吉 教授(専)

運動の刺激に対してヒトの「からだ」は応答し適応する。本講義は、血液ガスやpH、血圧の恒常性維持に必要不可欠なフィードバックシステムである「呼吸循環調節」のしくみを理論として学び、システム生理学の手法を用いて、運動時の呼吸・循環系応答の制御メカニズムを系統的に研究分析する方法論を紹介する。また、様々な外乱刺激に対する呼吸循環系応答の動作原理や、運動トレーニングによる生体適応変化の法則性、および呼吸循環反応に現れる病態異常所見のメカニズムについて、最新の研究成果を紹介し、実際の基礎及び臨床研究や運動負荷検査を観察することで、人間とそれをとりまく環境に関わる広範な知識を体系的に理解することを目指す。


スポーツ・運動医科学特論

露口 亮太 准教授(専)

スポーツ科学や健康科学を基盤とし、健康づくりという視点から課題を科学的根拠に基づいて適切に理解する。スポーツ科学や健康科学と密接な関係がある身体運動について説明するとともに、身体運動により生体に生じる諸変化について考察する。


生活環境学特論

天野 圭子 准教授(専)

近年の都市計画・まちづくりに関連する制度・計画のうち、持続的な都市環境の形成に深く関わるニュータウン、歴史的まちなみ、福祉的なまちづくりの3つを取り上げる。
授業では講義の他、現地のフィールドワークを行う。また、各自がテーマについて調べた内容についての発表やフィールドワークから得られた情報をグループでディスカッションする機会がある。
これらの学修を通し、持続的な都市環境を計画する上での課題の分析力、課題に対する提案力を養う。


身体環境特論

大槻 伸吾 教授(専)

心身環境分野のうち身体環境に関わる分野を担当する。身体はその恒常性の維持や身体活動において、環境から受ける影響は計り知れない。身体を取り巻く環境には、気象・気温・気圧・湿度などが挙げられる。これらの変化に伴い身体に生じる生理学的反応を調査研究するための理論と手法を習得することを目的に講を進める。一方、身体活動における環境とは、路(床)面・靴・活動に用いる用具などが考えられる。これらの環境を変化させて身体活動にどのような影響が生じるかをバイオメカニカルな手法を用いて研究するための基礎を習得する。身体環境を研究するためには身体生理の理解は当然であるため、本講はこれにも言及する。


保全生物学特論

鶴田 哲也 准教授(専)

近年、世界的に生物多様性が急速に喪失しており、その保全対応が緊急課題として求められている。本講義では、生物多様性の重要性と現状について説明するとともに、生物界のさまざまな階層に存在する多様性とそれらを保全することの意義について解説する。また、市民団体等による実際の保全活動に参加して、具体的な対策の進め方について現場で学ぶ。このような授業内容を踏まえて、生物多様性を保全するための有効な対応策について議論する。


環境体力科学特論

佐野 加奈絵(非)

運動器には適応能が存在し運動動作やロコモーション、トレーニングなどの刺激によって身体の骨格・筋腱の形状や機能特性は変化する。本講義は、ヒト身体における骨格や筋腱などといった運動器の形態やその機能および調整機序について学び、スポーツ運動学やヒト生体の直接情報を得る手法を用いて、ダイナミックなヒト身体運動中の神経筋機能を系統的に研究分析する方法論を紹介する。特に、体力トレーニングを積んだスポーツ競技アスリートやマスターズアスリートにおける身体特性や巧みな動作、および運動の仕組みについて物理法則の側面や生理応答の両側面から明らかにした最新の研究成果についても紹介し、これらを通して人間とそれをとりまく環境に関わる広範な知識を体系的に理解することを目指す。


環境生理学特論

岡崎 和伸(非)

ヒトが様々な外部環境下におかれた時、あるいは、その環境下で身体活動や運動を行った時の身体の生理学的応答について、さらに、それらの繰り返しによる身体適応について、その法則性を学ぶ。また、環境生理学で用いる研究手法について、その原理を理解して用いることができることを目的とする。人間とそれをとりまく環境に関わる広範な知識を体系的に理解することを目指す。


環境システム解析学特論

川田 徹(非)

入出力関係からシステムの動的なふるまいを同定し、システムの内部構造を把握したりシステムを制御したりする方法論を学習し、人間とそれをとりまく環境に関わる広範な知識を体系的に理解することを目指す。


環境健康科学特論

河合 英理子(非)

疲労は、肉体や精神への過度なストレス負荷によって生じる活動能力や思考能力が低下した状態を指す。疲労は恒常性が乱れた状態であり、継続すると様々な疾病を引き起こすことが考えられる。本授業では、生活環境に身近なストレス・疲労を理論的に学び、健康についての理解を深める。また、ストレスや疲労の軽減手法として用いられる様々なヘルスケア介入の生体への作用について最新の研究成果を紹介する。さらに、データ計測・分析実習を通して健康状態の評価手法、ヘルスケア介入の効果検証手法、データ解析手法について学習する。これにより、人間とそれをとりまく環境に関わる広範な知識を体系的に理解することを目指す。


フィールド/スタジオ
 研究1

必修科目である「フィールド/スタジオ研究」は、1と2から構成されており、それぞれ独立したものではなく、連続性のある内容である。院生は自らの修士論文のテーマを強く意識して受講することが要請される。単なる講義形式にはとどまらず、文献調査、フィールド調査、実験、制作なども含めた内容とする。研究分野や論文テーマにより比重の置き方には違いがあるが、「現場」を重視した内容とする。専任教員全員が担当するが、進捗の度合いを勘案して、院生を一堂に集めて行う講義、院生とその指導教員との間のゼミナールの2つの形式を適宜使い分ける。本科目は、一年次配当科目であり、全専任教員が担当して、研究を行う上で必要な基礎的事項について教授し、それに続いて2つの研究領域ごとにゼミナール形式によるより深い知の教授を行う。なお、論文テーマによってはこの一部をインターン研究で置き換えることができる。


フィールド/スタジオ
 研究2

「フィールド/スタジオ研究1」を基礎として、その発展・分析・解析を通して修士論文の作成に向けたゼミナールを主に行う2年次配当科目である。この場合、直接の指導教員だけではなく、関連する教員との複数担当制とすることによって、一層レベルの高い修士論文の作成を保証するものである。なお、論文テーマによっては、この一部または全部をインターン研修で置き換えることができる。

本研究科の開講科目のほかに、既設の他研究科が開講している科目も履修の対象とします。
環境分野がきわめて学際的であることから積極的にこの枠を活用するように指導いたします。

経営・流通学研究科 流通システム特論 詳しくはコチラ
ロジスティクス特論 詳しくはコチラ
経済学研究科 公共政策特論 詳しくはコチラ
環境経済特論 詳しくはコチラ
工学研究科 都市・地域計画特論 詳しくはコチラ
環境工学特論 詳しくはコチラ
環境デザイン特論 詳しくはコチラ