bar
大学TOPへ
 
 20世紀は科学技術の発展とともに経済や情報のグローバリゼーションが世界各地で押し進められてきました。そのなかで人類の可能性は飛躍的に拡大しましたが、しかし一方、急速な世界標準化の流れのなかで、ある国は砂漠に埋もれ、民族は難民となって行き場を失い、文化はあまりの貧困のなかに崩壊していくという各地の悲惨な現実が立ち現れてきました。資本主義と社会主義の対立の構図が崩れた後に、宗教間の対立、貧富の対立が一気に尖鋭化してきたのですが、しかし、これらはみな21世紀の現在に引き継がれた負の遺産であります。
 これらの危機的状況を克服するには、これまでの学問体系に依拠するのではなく、新たなキーコンセプトを力にパラダイムシフトを実現することが必要だと考えます。
 今の私たちに欠落しているのは「共生」の概念です。異質な物が重なり合い、混ざり合い、変化する、「境界領域」とはもっとも豊穣で変化に富んだところです。個人個人が内なる境界領域を認識するプロセスにおいてはじめて「共生」の概念が育まれていきます。様々な道のりを経て私たちが新たに立つべき場所はそこだと考えます。
 本科では、五感を養い、自分の歩幅で世界を認識し、現実の課題に立ち向かうことができる人材を養成することを目指します。そのために、現実に問題が起きている「現場」を起点として研究活動をおこない、危機的状況を打開すべきパラダイムシフトをそれぞれの研究のなかで実現したいと考えます。